コラム

葡萄畑より愛をこめて~黒い宝石 ビジュノワール」~

ビジュノワールは、山梨県で(甲州三尺×メルロー)×マルベックを交配させて生まれた注目の黒ブドウ品種です。

葡萄の名前は「黒い宝石」を意味し、深い紫色をした粒が特徴です。2006年に開発され、その濃厚な果実味とエレガントなタンニンで知られています。 ビジュノワールは果皮が厚く、糖度が高く、酸度が低いので、フルボディで果実味の豊かなワインになります。典型的なフレーバーは、ベリー、チョコレート、スパイスなどがあり、長期熟成にも適していて、複雑で洗練された味わいへと進化する人気のワインです。

「東夢ワイナリー」2の人生を自問自答した退職者集団 

ワイナリー建設の夢を実現すべく、東京電力グループで活躍したOBを中心に有志が集まり、2004年に設立を果たした異色のワイナリーです。

60歳過ぎてから始めたワイン造り。まずは3年間、老舗のワイナリーで修業させて貰い開業にこぎつけました。
その強い熱意は“東夢”という名前にも反映されており、畑の開墾からブドウの栽培、醸造に至るまで、一貫して自社で行うことにこだわっています。
また2019年には敷地内に複数ワイナリーによる複合施設『勝沼ワイン村』も建設し、ワイナリー新規参入者の育成やサポートを行うなど、日本ワイン文化の継承・発展にも貢献しています。

自ら開墾した自社圃場は、昼夜の寒暖差が大きく水はけのよい土壌の甲州市勝沼町鳥居平地区と北杜市明野町の2か所。荒れた樹木が生い茂った急斜面を人力で整地し、5年という歳月をかけてブドウの収穫に成功しました。

グラスの中に夢を託した「東夢ビジュノワール」は自信作です。

(東夢ワイナリーホームページ・ブログより)

葡萄畑より愛をこめて~「先人の思いを知ればワインはもっと味わい深くなる」~

不屈の精神で山梨ワインの道を拓いた人々
*高野正誠と土屋龍憲は大日本山梨葡萄酒会社の要請で明治10年、ワイン留学生として仏国に派遣されました。彼らの任務は仏語、醸造技術、醸造施設、葡萄品種、栽培法について徹底的に学び、それらの理論やスケッチを記録に残す事でした。
*全ての課題を1年間で習得するよう誓約書を交わしての派遣でしたが、不眠不休の研鑽を続けても帰国出来たのは1年半後。約束を守れなかった事に世間の批判は強く、また日本での栽培は仏国とは大きく異なり難解で、辛苦の連続でした。しかし先進国で得たノウハウは着実に山梨葡萄とワインを向上させ、彼らは日本ワインの礎を築いて行きました。

作り手の願い「どうしたらもっと良質なワインが作れるのか」
*思い描くワイン作りが出来ない焦燥に土屋は思い悩んだ末、仏国と同じ様な環境で保存できるセラーを建設
したと言われています。その欧州スタイルのアーチ型半地下式「龍憲セラー」は今も残っています。堅固なレ
ンガ積み、古びた棚や壁面、埃と土の香り、セラーの佇まいや空気感には先人の苦渋の跡が見て取れます。
*後年2人は山梨県の葡萄栽培・ワイン醸造に心血を注ぎ、高野は明治23年に『葡萄三説』を著してその普及に努めました。土屋は「まるき葡萄酒」(現存する最古のワイナリー)を設立し、共に大志を貫いて行きました。
(資料山梨県立博物館より)

葡萄畑より愛をこめて~サントリー登美の丘ワイナリー「やってみなはれ!」~

山梨県には現在90社以上のワイナリーがあり、甲州ワインを始めとする多彩なワインが生産されています。今回はワインづくりの理想郷と称されるサントリー登美の丘ワイナリーを訪ねて来ました。

その昔、ワインづくりに適した土地を探し求めていたサントリー創業者の鳥居信治郎氏と「日本ワイン葡萄の父」川上善兵衛氏が初めてその丘に登った時、余りの美しさに二人で涙したと言われる登美の丘。標高約600メートル、見渡す限りの葡萄畑と甲府盆地、南アルプス、八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、そして富士山を一望する絶景が広がっています。空に浮かぶ様なまさに天空のワイナリーなのです。

広大な葡萄畑のまず土から丁寧に作り、慈しみ育てた葡萄を全て手摘みしてワインを作ること125年。

<この土地の個性を最大限に引き出したい、ここにしかないワインを作りたい>  作り手の揺るぎない意思がそこにあります。

創業者の「やってみなはれ!」という企業精神のもと手強い自然と対峙して果敢に挑む、そんな熱量を至る所に感じました。

権威あるワインコンクールでも数々の受賞歴があります。

「愛をこめるとは?」の問いかけに「出来ることの全てをやり尽くす」という明確な応えを頂きずっと心に残りました。

(画像 サントリーホームページより)

Cave de ワイン県風 秋の愉しみ方

Cave de ワイン県風 秋の愉しみ方

季節の料理とお酒の相性探索
当店では秋の深まりを感じさせるメニューに切り替わっております。
今回は秋になり新たに登場したメニューと相性の良いお酒を紹介いたします。

柿のカルダモンマリネ

生ハム添え

 

山梨マルスワイナリー

保坂甲州 N.F

 

柿のカルダモンマリネは山梨県産の柿をレモンのしぼり汁で作ったヴィネグレットドレッシングに細かく挽いたカルダモンを加え和えたシンプルながら大変フレッシュかつ香り高く仕上げた一品です。コースメニューの一品でアラカルトメニューにはリスト上ございませんが、こちらの記事を読まれ興味を持たれた方はお食事の際スタッフにお尋ねください(状況次第ではありますが)前菜盛り合わせやアラカルトの一品として提供いたします。

こちらの料理には果皮ごと醸したオレンジタイプの甲州を、中でもマルスワイナリーの穂坂甲州N.Fをおすすめいたします、フレッシュな柑橘などの果実香に樽熟成に由来のヴァニラ香を含んだ複雑な香り、やや丸みのある酸が豊かで果皮由来のタンニンもより引き締まっていて凝縮感もあり、良い意味での中庸をであり前菜から鶏や豚などの肉料理まで幅広く料理に寄添ってくれそうな懐の深いワインです。秋らしい一品と一緒にぜひお試しください。

 

 

Cave de ワイン県風 初秋の愉しみ方

ブドウが美味しい季節になりました。
当店でも秋の気配を感じさせるメニューに切り替わってまいります。
今回は9月に新たに登場したメニューと相性の良いお酒を紹介いたします。


富士桜ポークのフロマージュ・ド・テート ピストソース添え

&  カンティーナヒロ トレッビアーノ2023

フロマージュ・ド・テートは富士桜ポークのタンやカシラ肉などを柔らかく煮込み固めたテリーヌです、ヨーロッパの農家の知恵の結晶のようなこの料理は滋味深い味わいと様々な肉の部位が使われることによる食感の楽しさが魅力です。ピストソースはバジルなどのフレッシュハーブとナッツやチーズ、オリーブオイルなどをペースト状にした冷たいソースです。

こちらの料理にはイタリアやフランスにおける伝統的かつ代表的なテーブルワインの品種のトレッビアーノ(ユニブラン)をおすすめいたします。


ワインビーフのスジ肉とジャガイモのクロケット  キノコクリームソース

&  白百合醸造  シャルドネ 2023

ワインビーフのスジ肉のクロケットは選び抜いた素材を余さず手をかけて美味しく料理として提供するという近代フランス料理の成り立ちを体現したような一品です、揚げたての香ばしいクロケットにキノコクリームソースを添えて秋らしく仕上げました。

こちらには。樽熟成による香り豊かでふくよかなシャルドネをおすすめいたします。


今月、当レストランではトレッビアーノもシャルドネもそれぞれ適温に調整してグラスにて提供いたしております。やや冷やすことにより表出する香りと味わいを少しだけ抑えるとコンパクトにまとまります。ワインの味わいが引き締まり、このコラムで組合せをおすすめした料理とお互いをより引き立てあいます。
どちらのワインも次第に温度が上がってくると華やかに香りが開いてきてヴォリューム感が出てきてワイン単体でも楽しめる奥深さがあります、グラス内の温度による味わいの変化を楽しんでみてはいかがでしょうか?


その他の新メニューとおすすめのグラスワイン

①甲州地鶏とカボチャとコンソメのフラン  & 笹一酒造 シャルドネ 2022

②富士の介サーモンのリエット  & 8Vinyard 黒駒 甲州 2021

③八ヶ岳鴨胸肉のスモーク    &     シャトージュン マルスラン 2019

山梨県のぶどう~デラウェア~

フルーツ大国山梨県には、デラウェア 巨峰 ふじみのり シャインマスカット レッドシャイン ブラックビート クイーンニーナなど沢山の種類のぶどうがあります。

その中で最も一般的な「デラウェア」は小粒で甘く生食用として有名です。実は、日本各地で造られているワイン用のブドウ品種でもあるということをご存知ですか?


デラウェアから造られるワインは赤ワイン? それとも白ワイン? 

生で食べるデラウェアは甘いから、ワインも甘口タイプ?  

 

ブドウの皮は赤紫色をしていますが、デラウェアからは赤ワインではなく、白ワインが造られます。小粒で甘みが強いブドウなので、ワインも甘口タイプしかないのかな?と思うかも知れませんが、デラウェアのワインは、極甘口のアイスワインから甘口タイプ、そしてキリッとした辛口タイプまで味わいは様々です。

 

当店のショップでは瑞々しいデラウェアの新酒の白ワインきりりと冷やして美味しいスパークリングワイン、また巨峰を使ったワインなど各種取り揃えております。

軽やかで爽やかな酸味が特徴のデラウェアや巨峰のワイン。当レストランのフルーツをあしらった冷製前菜やデザートに合わせて是非お召し上がり下さい。

秋のお勧めです。

季節限定 夏のほうとう 「おざら」

山梨県の郷土料理「ほうとう」の麺にとある工夫をすると おざらという料理になりますがさて、どんな工夫? 

 ザ・ご当地検定問題より

ほうとうは農林水産省により「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれている名物料理打粉付きの幅広の麺と野菜を味噌ベースの汁で煮込んだものです。とろみが出るので温まります。

 おざらはほうとうの冷やしバージョンと呼ばれていますが、ほうとうの麺を使っているものの、 おざらならではの特徴があります。ほうとうとは違って茹でてから水で締めるのでツルツルとのど越し良く歯ごたえがあります。お皿やざるなどに盛り付けてつけ汁で頂きます

山梨県と言えばほうとうをイメージする人も多いですが、比較的どこでも見られるほうとうと違って、おざらはなかなか食べることが出来ないレアな郷土料理です。(県内でも夏季限定で提供)

当店の今年のおざらは夏野菜を使ったいろどり鮮やかな一皿です。

(答えは「冷やす」でした)

山梨県は盆地で冬は極寒 夏は猛暑なのでおざらは体を労わる季節のご馳走でした。

Cave de ワイン県風 おざらの愉しみ方

Cave de ワイン県風 おざらの愉しみ方

おざらとお酒の相性探索
今回は山梨を代表する夏の料理、夏の「ほうとう」=おざらと相性の良いお酒をを紹介いたします。

 

当店特製の季節限定メニュー「cave de ワイン県 おざら」と合わせる

夏のほうとう「おざら」を富士の介サーモン、イワナの卵、夏野菜、コンソメで冷製パスタ風に仕立てた一品です。

 

シャンモリワイン 柑橘香 勝沼甲州 2023

その名の通りの和柑橘の爽やかな香りと溌剌とした酸味が料理のやさしい塩味、旨味と調和します。

 

シャトー酒折ワイナリー 甲州ドライ 2023

キリッとしたドライな味わいが料理に包み込まれている フルーツトマトなどの夏野菜の甘みを引き立てます。

 

カンティーナヒロ LEGARE Rose 2023

マスカットベーリーAを主体に8種のブドウ品種をブレンドしたロゼワインです。たくさんの食材を使って仕上げたおざらと8種のブドウのバラエティーを味わう楽しい組合せです。

 

冷やしたほうとうと温かいしょうゆとみそベースのつゆで食べる伝統的なおざらと合わせる

 

ビール

特にのどごしのよいピルスナータイプは食べ終わりまで口中を爽やかに保つことができて、おざらをよりサッパリと楽しめます

 

日本酒

キリッと冷やした生酒はまろやかにおざらの後味まで包み込んで、ゆったりとした気分で食事ができそうです

 

スパークリングワイン

活発な泡立ちが口中をリフレッシュしてくれます。シンプルでドライ過ぎないものが素朴な味わいに寄り添います

「温泉うなぎ」とは?

「国産山梨温泉うなぎ」とは?

*山梨の豊かな温泉(水温28度~32度)を泳いで育ったうなぎです。地下湧水の豊富なミネラルを含んでおり泥臭さコケ臭さがありません。

養殖池に自然の川のような流れを作り しっかり運動させる事で身がしまり脂の乗ったうなぎになりました。舌の上でとろけるこの温泉うなぎを当店では「四川風麻婆煮込み」としてご提供しています。(6月からの新メニュー)

地元で愛されるメニューは?

<温泉ワインうなぎの蒲焼>

うなぎと相性の良い 勝沼産マスカットべーリーA

(赤ワイン)をタレの隠し味に入れて二度焼きすると皮まで柔らかく濃厚な味わいになります。
(食べるJAPAN美味アワード2021グランプリ受賞)

 

<温泉ワインうなぎのおにぎり>

吉田うどんのサイドメニューとしてセットで食べられています。

おにぎりの塩味と海苔の風味

そして甘辛の柔らかいワインうなぎは絶妙です。

山梨と温泉うなぎ

山梨の食文化として古くから親しまれ幕末の1853年頃から

「山梨の名産」と言われてきました。現代でも人口当たりのうなぎ料理店の数は全国第2とうなぎ大好き県です。

Cave de ワイン県風 桃の愉しみ方 2024

Cave de ワイン県風 桃の愉しみ方

桃とお酒の相性探索 
桃の季節になりました、今回は山梨を代表する果物である桃と相性の良いお酒や料理をを紹介いたします。

新鮮な桃と

多彩なグラスワインで

オリジナルDIY桃カクテル

当店の桃の販売期間中、レストランで食事をお召し上がりの際、ご希望によりフレッシュな桃のスライスをリーズナブルな価格にて提供いたします。約30種のグラスワインと産地直送の旬の桃の相性を試してお気に入りの組合せを発見してみてはいかがでしょうか。

ワインと桃の組合せは桃を召し上がるタイミングにより、

� アミューズとして やや甘口の白ワイン

� 軽めの冷前菜として 軽快なロゼや赤ワイン

� 食後にデザートとして デザートワイン

と合わせるのがおすすめです。